三叉神経が帯状疱疹に侵されたら地獄だった件

前回の記事からまたまた大分間が空いてしまいましたが、この間プライベートで色々ありまして……

入院する羽目になったりも……

 

ということで、今回はその事について記事にしてみようかと思います。

 

今年の四月の初めから計二週間ほど入院しました。

病名は帯状疱疹ウイルスによる咽頭喉頭炎と顔面神経の麻痺(ハント症候群)。

いや、もう、エラい目にあいまして…

本当に辛かったです。

地獄でした。

退院してから半年近く経とうとしていますが、未だに後遺症に悩まされているという有様です。

 

ここで帯状疱疹について少し説明しておこうと思います。

帯状疱疹ヘルペスの一種で、病原体は水疱瘡と同じウイルスです。

子どもの頃に水疱瘡にかかったりすると、治ってもウイルスが完全には無くならずに、体内の神経に潜伏しているそう。

それが加齢やその他様々な原因による抵抗力の低下によって活性化し、帯状疱疹となって現れるようです。

 

帯状疱疹は皮膚にブツブツが出来る皮膚の疾患というイメージを持っている方が多いかと思いますが、できる場所は皮膚だけでなく、できる場所によって症状は様々なようです。

共通点は神経に巣食うことで、ピリピリとした鋭い痛みを発し、時に神経が麻痺したりするというなかなか凶暴な奴なのです。

僕の場合は顔の三叉神経という所に巣食ったようで、顔の左半分の神経が麻痺して動かなくなる(ハント症候群)という事態に陥りました。

さらには、帯状疱疹咽頭喉頭の方まで広がって、猛烈な痛みと咳と大量の痰と高熱にも悩まされました。

三叉神経は味覚の神経などにも通じているようで、味覚障害も起きました。

 

現在、顔の麻痺の方は治ったのですが、咳や痰も未だに完全には収まっていないし、味覚の方も完全には戻っておらず、食べ物の飲み込みづらさや誤嚥のしやすさなども残り、これらはおそらく一生残る後遺症かと思われます。

何を食べてもあまり美味しさを感じられなくなったので、食の楽しみは半減してしまいましたね。

これ、けっこう精神的なダメージを受けます。

 

退院後、仕事にはすぐに復帰したのですが、それ以外のこと(趣味など)には全く気乗りせずにほとんど何も手つかずの状態で、乗り鉄も大分ご無沙汰になってしまったのですが、最近ようやくまたやってみようかという意欲が湧いてきたところです。

(先日久しぶりに少し乗り鉄をしてきましたが、そのことについてはまた改めて書こうと思います)

 

ハント症候群(帯状疱疹に三叉神経を侵され顔面が麻痺する症状)はとにかく早期治療が非常に重要だそうです。

治療が早ければ早いほど予後が良く、遅ければ遅いほど悪いそうで、下手すりゃ顔面神経麻痺が残ってしまうこともあるそう。

 

参考までに経過を少し。

僕の場合、最初は喉のいがいが感で、ただの風邪だと思ったものです。

それからすぐに舌の表面がピリピリするようになりました。 特に冷たい飲み物を飲んだ時にそれを感じました。

そんな状態で二、三日過ごしていたかと思います。

 

それから、舌から喉にかけて口内炎のようなものができ始めたので、診療所の耳鼻咽喉科を受診しました。

診断は口内炎とのことでしたが、その後二日経っても改善する兆しはなく、悪化する一方で、発熱や大量の痰なども出るようになったので、もう一度受診したところ、これはただ事ではないということで大病院を紹介され、その日のうちに入院という運びになりました。

 

僕の場合は少々特殊なケースだったようです。

ハント症候群で、喉頭咽頭の方まで広く帯状疱疹に侵されるという事はあまりないそうです。

ハント症候群は、顔面の麻痺と片耳の奥辺りの痛みなどが主な症状で、視覚、聴覚、味覚に異常が出ることもあるそう。

僕の場合は視覚、聴覚に異常は出なかったのですが、味覚に異常が出てしまったようです。

入院当初は片耳の奥の痛みも麻痺も出ておらず、ハント症候群とは診断されず、帯状疱疹ヘルペスによる咽頭炎喉頭炎と診断されました。

ちなみに、身体的な苦痛はこの咽頭喉頭辺りまで広がった帯状疱疹によるものが酷かったです。

二日間は痛みと咳と痰で、食べ物はほとんど食べられない状況で、その後、何とか食べられるようになっても、固形物が飲み込めず、しばらくペースト食や刻み食で凌ぎました。

 

顔面の麻痺は治療が一通り終わり、一旦退院してから出てきました。

片耳の痛みも一度目の入院中から出てきましたが、それが酷くなったのは退院してからです。

そんなわけで、再度入院ということになったのですが、麻痺によってかなり不便を強いられました。

上手くうがいが出来なかったり、思うように食べ物を噛んだり飲み込んだり出来なかったり、片目が瞬き出来ない状態なるので、目が乾かないように頻繁に点眼しなければならなかったり、さらに、目に水が入るのを避けるために洗顔が出来ないとか、シャワーを浴びたりするときも顔にお湯が掛からないように気をつけなければならないなど、普段当たり前にやっていたことが出来なくなったからです。

 

そして、なにより顔の半分が麻痺したことへの精神的なショックが大きかったです。

 

治療はステロイド剤の点滴投与が中心になります。 この治療をいかに早いタイミングで行うかが予後の経過に影響してくるそう。

薬が効いて来るのは治療が一通り終わってからジワジワといった感じでしょうか。

僕の場合は二度目の入院から退院して一週間ほど経って少しずつ麻痺が改善してきました。

治療は出来れば麻痺が出る前が良いそうですが、麻痺が出てくるまではなかなかハント症候群だとは気づかないかもしれません。

片耳の奥にズキズキとした痛みを感じるとか、舌にピリピリとした刺激痛が出るとか、味覚がおかしくなるとか、片耳の下から首筋や頰にかけてブツブツが出来ることもあるそう。

これらがハント症候群の症状の目安になりそうです。

もしかして…と思った際は、とりあえず耳鼻咽喉科を受診すると良いかと思います。

その時は、症状を説明するに当たって帯状疱疹とかハント症候群という名を出してみても良いかもしれませんね。

 

帯状疱疹ウイルスは加齢などによる抵抗力の低下で活性化するそうなので、水疱瘡の既往歴があって四十歳を超えてきていれば要注意のようです。

主治医の先生によれば、僕は相当に抵抗力が弱まっていたんじゃないかということです。

実は十三年前に再生不良性貧血という病気に罹ったのですが、そのときの影響もありそうです。

これでも昔は健康優良児だったんですが、すっかり虚弱体質になってしまいました。

とにかく、病気で辛い思いをするのはもう御免なので、健康にはなお一層気をつけて行きたいものです。