先日、快速「ホリデー快速ビューやまなし号」に初めて乗りました。
ということで、今回はその乗車レポートを書いてみようかと思います。
「ホリデー快速ビューやまなし号」は中央本線の新宿-小淵沢間を結ぶ臨時快速列車。
3月から11月の土休日に運行されています。
使用車両は215系。
(画像は発車前の新宿駅にて)
編成は以下のようになります。
1・2・3・8・9・10号車が普通車自由席、6・7号車が普通車指定席、4・5号車がグリーン車指定席。
停車駅は、新宿 - 三鷹 - 立川 - 八王子 - 高尾 - 相模湖 - 大月 - 勝沼ぶどう郷 - 塩山 - 山梨市 - 石和温泉 - 甲府 - 韮崎 - 小淵沢となっています。
以下が 2018年7月~9月のダイヤです。
(ページ右端黄色線の枠内)
「JTB小さな時刻表」JTBパブリッシング(2018年7月1日発行)P542より抜粋
この列車、前々からかなり気になっていました。
使用される215系が全国でも(世界でも)珍しいオール2階建て車両(厳密には先頭車両は違う)であることと、普通車の座席が全てボックスシートという現代の急行形とも言えるアコモデーションであることがその理由です。
また、編成中にグリーン車指定席が設定されている他、普通車にも指定席が設定されているなど、列車種別は快速ながらもかつての急行列車のような運用であることもその理由の一つです。
新宿駅には発車15分前くらいに着いたのですが、発車となる11番ホームにはすでにけっこう人の列が出来ていました。
乗車した場所は8号車(普通車自由席)の階下席。
車内に乗り込んだ時点で2階席には開いているボックスはなかったので、階下席の空いているボックスに陣取りました。
車内の様子は乗客が居るため満足に撮影できなかったのですが、このような具合です。
画像は階下エリアの様子。 車体の構造は首都圏の普通列車グリーン車に使われている2階建てサロに準じています。
扉は片開きの2扉式で、扉の内側が2階建て構造、外側が平屋建て構造。
普通車の座席は全てボックスシートで、ボックスの縦幅は1500mm。
グリーン車は回転式リクライニングシートで、シートピッチは970mm。
階段の構造が普通車とグリーン車では異なり、普通車は画像の通りまっすぐな構造となっていますが、グリーン車は首都圏を走る普通列車のグリーン車と同様でらせん構造となっています。
215系は1992年に増加する湘南ライナーの需要に対応するために開発された車両で、10両1編成につき1010名の着席定員を誇っています。
主にホームライナー用に製造された車両ということで、それなりに車内の快適性には配慮されており、優等列車らしさは感じられます。
普通車では座席上に小さな荷台も設置。
(グリーン車にはありません)
座席の土台は片持ち式なので、座席下にもスペースがあり、そこに荷物を置くことも可能です。
ただ、それでもスペース不足の感は否めないか。
通路に大きな荷物が置かれている光景がちらほら確認できました。
ホームライナーの主な客層と考えられる通勤客ならともかく、荷物が多い旅行客などは不便を感じる点かもしれません。
客室端の壁面にはこのような電光掲示板も。
停車駅の案内などがされていました。
この辺りも少し優等列車らしさを感じられる部分ですかね。
普通車の座席の座り心地ですが、決して悪くはなかったです。
見た目よりもしっかり作り込まれている印象で、モケットも思ったよりもフカフカしていて、僕は座っていてお尻が痛くなることはなかったです。
背もたれはほぼ直立ですが、高さも十分だし頭の位置にクッションが備えられていて、E231系などの普通車ボックスシートのような固い背もたれ上部に後頭部をぶつけるということは無いです(笑)
ただ、ボックスの縦幅が1500mmで、見ず知らずの他人と対面するとかなり窮屈さを感じました。
欲を言えばあと最低100mmくらいはスペースが欲しいところでしょうか。
これでもかつての急行形の1460mmよりは広いのですが、現代の感覚でこれで急行料金を取るとしたら、やはり割高感がありますね。
列車は定刻通り9時02分に新宿駅を発車。
その時点で階下席の乗車率は4割くらい。
2階席はもっといたかと思います。
6~7割りくらいか。
発車すると、車内からはプシュッ!プシュッ!という缶ビールを開ける音が……(笑)
走りだしてからの乗り心地は悪くなかったです。
スーッと滑るような走りだしで、重厚感があり、音も静かだったし、揺れも少なく感じられました。
これで座席がリクライニングシートなら特急形でも行けるんじゃないかと思うほど。
ただ、これは座る場所にもよりけりか。
僕はサハ車の階下席でしたが、これが2階席やモハ車、クモハ車なら揺れや走行音などに違いが出てくるのかもしれません。
臨時列車でダイヤの合間を縫っての運行なのか、スピードは少々控えめな印象で、徐行するような区間もありました。
それでも、途中駅を次々と通過して行く様はなかなか気持ちよく、かつての急行列車に乗っているような雰囲気を味わえました。
今回、中央線の国分寺以西に行くのは初めてだったのですが、車窓も趣があって良かったです。 沿線に名所も多いし見所も多いと思います。
車窓風景もほとんど撮れませんでしたが、こんな具合です。
八王子を過ぎると風景も牧歌的になってきて、旅気分も高まりますね。
そのまま終点の小淵沢駅まで行きたいところでしたが、この後、池袋で用があったので塩山駅で降りて普通列車で引き返すことにしました。
それにしても、一度で良いから165系の急行アルプスで中央線の車窓風景を満喫してみたかったなあ。
ということで、今回はこんなところで。
次回はビューやまなし号乗車中の車内の様子などを、途中乗り合わせたある家族への観察記録を中心に語り、現代の急行列車というものについての考察めいた話をしてみようかと思います。